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遠紫外線(Far-UVC)を利用して新型コロナウイルス拡散を防ぐ
2020.5.18
遠紫外線(Far-UVC)を利用して新型コロナウイルス拡散を防ぐ

新型コロナウイルス(COVID-19)に関して、興味深い研究があり、ご紹介いたします。

コロンビア大学の放射線研究センターの最新の研究によれば、非常に低い線量の遠紫外線(Far-UVC)が、エアロゾルによって運ばれる空中浮遊ヒトコロナウイルスを効率的に殺すことが示されました。具体的には、被曝線量1.2〜1.7 mJ /㎠の遠紫外線(波長222 nm)が空中を浮遊するヒトコロナウイルスの99.9%を不活性化するという実験結果が得られました(注1)。

細菌を殺す目的で紫外線を利用することは何ら新しい技術ではありません。しかし、従来より殺菌に使用されてきた紫外線(UV-C)は、人体への傷害性が高く、皮膚がんや眼疾患を引き起こすため、人がいない場所で使用する必要がありました。

これに対し、遠紫外線(Far-UVC)は、生きている人間の細胞に到達したり、損傷したりすることはできません。しかし、遠紫外線は、空気中や表面に浮遊している非常に小さなウイルスや細菌を透過して殺すことができます(注2)。

同研究センターのDavid Brenner所長は、「遠紫外線(Far-UVC)は、新型コロナウイルス(COVID-19)との戦争において根本的に異なる戦術をとっています。つまり、ほとんどのアプローチは、ウイルスが体内に侵入した後のウイルスとの戦いに焦点を当てていますが、遠紫外線(Far-UVC)は、ウイルスが体内に侵入する前にウイルスが拡散するのを防ぐ可能性がある非常に数少ないアプローチの一つです。」と述べています。

Source:

注1
Far-UVC light efficiently and safely inactivates airborne human coronaviruses
https://www.researchsquare.com/article/rs-25728/v1.

注2
Could a New Ultraviolet Technology Fight the Spread of Coronavirus?
https://news.columbia.edu/ultraviolet-technology-virus-covid-19-UV-light

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